紙芝居を演じる 紙芝居の演じ方

更新:2007.04.01

演じるための5つのポイント

下読み

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紙芝居を演じるポイントはいくつかありますが、すべての鍵は作品の内容を理解することにあります。 下読みで、それぞれの作品の組み立て方や、登場人物の性格やでき事などをつかんでこそ、 はじめて作品を生かす工夫ができるものなのです。
<下読み>をする時は、机の上に作品を上向きに置きます。こうすると表紙の画面が一番上にきます。 表紙の文は、紙芝居では最後の画面の裏に書いてありますから、最後の一枚を抜いて裏を向けて左横に置きます。
紙芝居は、一方通行で向って右から左に抜かれるようにできていますから、 この方法で練習すると絵の雰囲気をつかみながら読むことができます。
よく観客に見せるように自分の前に紙芝居を立てて読む方が多いのですが、これでは効果はありません。 なぜなら、このやり方では、絵は前に向いてしまって自分では見えないからです。 そうすると、人物がどのように描かれているか、どのくらいの早さで抜いたらよいか、どこで止めると効果的なのか、 その感じはつかめません。

声(せりふ・語り・擬音)

<ことば>は声に出して表現する時、微妙なニュアンスまで、観る人に伝えることができるのです。 同じ<ことば>でも言い方しだいで登場人物の心の動きや状況を観る人に感じてもらうことができるのです。 自分が俳優になったつもりで楽しんで演じて下さい。もちろん下読みで理解した人物を、ですよ。
<語り>は、その場の情景・状況が観客に伝わるように語りかけて下さい。
<擬音>は、現実音にこだわるよりも特徴をつかんで、リズムや強弱で表現する方が効果的です。
<声>は、喜び・悲しさ・怒り・爽やかさ・恐怖など、さまざまな表情を伝えます。

声のキーワード
高・中・低 嬉しい時 (やや高めの声で明るく)
早・中・ゆっくり 楽しい時 (明るくはずむように)
強・中・弱 怒っている時 (強く早口)
明・中・暗 悲しい時 (弱く・ゆっくり)-等々-

間(ドラマを生かす)

息づきの間・文章のくぎりの間・話かわりましての間と、間にもいろいろありますが、 ドラマを生かす間としては<期待させる間>と<余韻を残す間>があげられます。
<期待させる間>は、観客を「何かが起こりそうだ」という気持に誘いこむ間です。 観客の表情を見ながら間合いを大切に。
<余韻を残す間>は、情緒的な場面やラストの場面に多いのですが、 語り終えてすぐ画面を抜いたりせずに、3秒くらいの間をおいて余韻を残して終って下さい。 事件が起る前の<期待させる間>。しみじみと情感を漂わせる<余韻を残す間>。 共にサイレントの時がドラマを盛りあげます。

抜く=動かす

一枚ずつの画面がバラバラになる紙芝居では、情感を込める場面では画面をゆっくり抜く、 驚かせるような場面ではさっと抜くといった表現ができます。
イ. 抜き方には、普通・ゆっくり・はやく・さっと・途中でとめる などがありますが注意点は2つ。
<さっとぬく> 思いきりよく一瞬のうちにぬく。
<途中でとめる> 途中でとめることで、2枚の絵でも何枚分かの効果をあげることができます。 この場合は、止めたい位置に印をつけておくと<線までぬく>ことがわかるので、適確に止められます。 三角印をつけておくと抜き始めたところですぐに途中で止めることがわかり便利ですよ。
ロ. 動かし方には、上下・左右・前後・まわす・ゆらす などがありますが、 画面を5ミリから1センチ動かすだけで、動くはずのない絵がまるで動いているように見えるから不思議です。 動かす場合の注意点は、画面向って左、指をかけている方を動かします。 向って右は、下の方を舞台につけたままのつもりにします。 全体を動かすと、画面全体がとびはねてしまって効果がでません。
例えば
★ 左右に半円を描くように動かす
人物などが正面に向って歩くように見えます
★ 前後に動かす
嵐の場面や風が吹く様子を表現することができます
★ まわす
指を1本かけて軽くまわすようにします

舞台・幕紙の効果

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紙芝居の絵は、舞台で使って効果が出るように描かれています。
例えば<途中でとめる>場合、舞台を使わないと同一人物が2人になってしまったりします(舞台の袖にかくれませんので)。
もう1つ舞台の効果は、小さな額縁の中に小さな世界が創り出されることです。 その世界への入り口として扉の開け閉めや幕紙を抜く、入れるなどで、雰囲気づくりをしてみるのも面白いと思います。
幕紙は紙芝居と同じ大きさの紙に絵を描いたり、作品にあった和紙や包装紙を貼ったりすれば間単にできますから 作品に合せてお使い下さい。